今後の海外出張にオンラインブッキングツールが必要不可欠と言えるこれだけの理由
目次
オンラインブッキングツールの現在状況
海外航空券や海外ホテルなど、海外出張に伴う手配をオンライン上でおこなうオンラインブッキングツール(OBT:Online Booking Tool)、2018年・19年と出張がとても多かった時期に導入を実施した企業が多く、当社トップレップでもオンラインブッキングツールの導入支援を承ることがとても多い時期でした。
では、2020年年明けから影響の出始めたコロナショックを経て、オンラインブッキングツールの現在はどのようになっているのでしょうか。
・機能面 あまり変わっていない。(進化できなかった)
・使い方 システムに求める企業のニーズに変化。活用方法は現在進行形で進化している。
・価格面 大幅に下がった。
・導入数 微増
簡単に言うとこんな感じです。
機能面については、過去に挙げたコラム「NDCが企業の出張にもたらす未来」にあるように、NDC(New Distribution Capability)が進化し、オンラインブッキングツールにも大きな影響があると予想されていたのですが、残念ながらコロナはその進捗を大幅に遅らせていますので、機能面で大きな向上は見られません。
一方、当社が着目しているのは、システムに求める企業ニーズが変化し使い方が進化していること、価格面が大幅に下がったこと、この二点です。
この二点に細かく接している当社は、航空会社、旅行代理店、旅行系システムベンダーなどの、現在・これからの 外部環境をあわせて考えると、オンラインブッキングツールはこれからの海外出張に必要不可欠と考えています。
当コラムではそれらをご紹介したいと思います。
オンラインブッキングツールが必要な理由1 大幅な出張コスト上昇
海外出張にかかるコストの代表例は、航空券、ホテル、現地で使用するお金、日当ですが、日当も各社上昇傾向にありますが、日当は社員の働き方改革やウェルビーイングの観点、国や団体からの要請、長らく変更していなかった…等々ありますので、コストであると断じることはできませんので、別の機会にまた情報共有できればと思います。
現地で使用するお金はどうでしょうか。
現地の物価が上がっていることに加え、円安の影響は大きいです。同じように現地でお金を使っても以前と比べて、1回の出張あたり数万円以上掛かっているケースが殆どだと思います。ですが、規定に遵守している限り、これ以上大幅に減らせるものでもありません。
そもそも日当と現地費用はオンラインブッキングツールでコスト削減出来るものではないので、そうなると、オンラインブッキングツールで改善余地のあるコストは航空券とホテルです。
航空券は16年以降毎年4%程度上昇(当社調べ)していましたが、24年現在、市況感では10%以上値上がりしており、混雑する路線ではそれ以上となっています。また、燃油サーチャージの付加もコストに大きなダメージを及ぼしています。
ホテルについては、一様に値上がっているわけではありませんが、やはり円安の影響が大きく、渡航先によっては1泊あたり1万円以上のコストインパクトが顕著です。
航空券もホテルも、公示運賃も企業が独自に航空会社やホテルと契約しているコーポレート価格も、どれも基本的には早期手配でコスト減につながります。また、企業独自の購買戦略(例えば、特定航空会社を推奨する)がある場合は、その戦略通りに手配することが最適購買になります。オンラインブッキングツールは出張規定や購買ガイドラインを組み込めるので、コスト削減戦略が進みやすい環境を作れます。
そして、出張手配はどの企業にとっても本業ではないので、すきま時間におこなう出張者も多く、手配したいと思った時間が旅行代理店の営業時間外なら、次の日まで待たなくてはなりません。その点、24時間手配が可能なオンラインブッキングツールは有利です。
出張慣れの度合いや、航空券・ホテルについての知識、旅行代理店の営業時間や手配担当者のオペレーションスキルによらず、いつでも誰でも一様に最適購買をするにはオンラインブッキングツールを入り口にすることが最適です。
オンラインブッキングツールが必要な理由2 出張安全に対する意識の高まり
コロナは出張安全に対する意識を格段に向上させました。それに加えて今も、ウクライナ、中東、中台、朝鮮半島、アジアンヘイトクライムなどの有事、あるいはその恐れは出張不安をもたらしています。対処する方法に保険や緊急避難のサービスがあります。もちろんそれらはとても有用なサービスですが、私たちが重要と考えるのはもう一点あります。
それは、出張手配段階から(つまり行く前段階に)渡航先の状況や注意すべき点を出張者が一様に知ることです。なぜなら、起きてからでは遅い事があるからです。今多くの企業が憂慮している中国での日本人拘束の問題や台湾有事の恐れがそれに該当します。何度も行ったことがある、現地語が話せるなど出張慣れしている方はまだよいかもしれませんが、そうでない方が渡航されるのが企業の出張あるあるです。現地で注意すべきこと、ご法度なこと、地政学リスクなど、把握しておいて事前に対処できることはたくさんあります。
どうやってそれを仕組み化するかもまた問題です。自社ですべての出張者に対応するにはそのスキルと対応できるだけの工数を割かなくてはなりません。手配時に旅行代理店から出張者に伝えてもらうという手もありますが、代理店が複数社に跨っている企業は難しいでしょうし、代理店もまたその分だけの工数を割くことになりますので、コストが上がったり、手配する時間が長くなったりと、別の問題が出てきそうです。
今私たちが推薦したい方法は、オンラインブッキングツールや企業内ポータルサイト、出張申請承認システムなど、出張する方が一様に通る場所に、最新の情報や注意してもらいたいこと、管理部門からのインフォメーションなどを貼付しておくことです。特にオンラインブッキングツールは手配する際に触れる場所なので効果的です。
現在当社では、これらの仕組み化や安全ガイドラインの策定、情報サイトの掲示など、企業が必要とされる範囲にサポートをカスタマイズしてご提供しております。
オンラインブッキングツールが必要な理由3 ユーザーがオンライン予約を求めている
数年前まで、オンライン予約を敬遠するユーザーは正直多かったと思います。使い方が難しそう、代理店に電話した方がラクといった声です。ユーザビリティの観点から、旅行代理店のひとによる手配の方が便利という声が多くありました。
一方、ここでもコロナがその状況を変えました。
コロナを経て働き方が大きく変わりました。多くの企業が在宅勤務などで社内と同じ環境で仕事が可能になった今、出張申請、予約手配、承認作業、精算も、出張にまつわることはすべてオンラインでおこないたいと考える人が増えました。
また、外部環境もオンラインブッキングツールを優位にしています。例えば、現在旅行代理店は大変なひと不足です。結果、営業時間は短くなり、一件あたりに掛かる時間は長くなり、ユーザビリティの低下は避けようがない状況に陥っています。メールや電話で、依頼と回答を行ったり来たりさせながら時間を使うことに、ユーザー自身が消極的になりました。
前述の通り、オンラインブッキングツールの機能が格段に向上しているわけではないので、少しでもユーザーが使いやすいように、間違いなく予約手配が出来るよう、ツールを常にクリーンアップしていくのが大切で、オンラインブッキングツール運用にはその分だけの工数が掛かることは否定できません。しかし、ユーザビリティという観点からも、旅行代理店のひとによる手配とオンラインブッキングツールは逆転したと感じています。
導入済企業はより”いま”仕様に、未導入企業はいま改めて導入検討してほしい
導入したはいいけど使われないのでは意味がありません。導入済企業におかれましては、”いま”の仕様に改めて見直し、より快適に出張手配ができる環境を作りませんか。
未導入企業におかれましては、前述した通り、オンラインブッキングツールで改善出来ることが多くあります。導入コストも数年前に比べて下がっています。いま改めて導入を検討してもよい段階に来ていると言えます。
オンラインブッキングツールにお悩み、改善したい、そもそも改善余地はあるのか可視化したい、といったご要望が少しでもあれば当社までご用命ください。
オンライン予約ツール導入支援 OBTを単純に導入しただけではむしろ導入費等でコストは上がってしまいます。コスト削減を実現し導入効果を最大化させるためには、最適な導入準備と確実な運用が必要となります。 コスト削減目標とユーザビリティーのバランスの見極め、要件定義、フロー作成、プロジェクトの進捗管理まで導入におけるの前・中・後の一連業務をサポートします。 |