【シリーズ NDC】vol.1: NDCが企業の出張にもたらす未来
航空、旅行業界のホットワード「NDC」とは何か
NDCという単語を聞いたことはございますか。今、航空、旅行業界ではこのNDCがホットな話題となっています。
NDCとは「New Distribution Capability」の略であり、国際航空運送協会(IATA)が進めています。その名の通り、航空券の新たな流通を図る革新的な取り組みです。
この記事は主に企業様向けに書いているものであり、業界向けに書いているものではないので、あえてNDCが生み出された経緯や技術的なことは説明せず、NDCがもたらす未来、とりわけ企業の出張にもたらす影響に絞って触れていきたいと思います。
そしてこのNDCの取り組みは現在進行形で動いているので、今後も企業の出張に影響があるものは随時情報配信をしていく予定です。
今回の記事はNDCに関する第1回目の記事となります。
出張手配はよりビジュアル化されます
様々なものがオンライン上でも売り買いされている昨今、そこではより視覚的により分かり易く消費者に情報提供することが求められています。その一点において、航空券の流通は他の物品に比べて圧倒的に情報量が少ないと言えます。
例えば、航空券を手配する際に自分が予約する座席、座席から見える景色、現状ではそれらを確認した上で予約することはできません。多くはシートマップ上で確認したり、旅行会社との間で電話やメールのやり取りであれば「通路側」、「窓側」、「前方」、「後方」といった基本的な情報やり取りしかない場合も往々にしてあります。数万円~数十万円する買い物なのに視覚的な情報が限られた中でやり取りされるのは特異な世界と言えるかもしれません。
NDCの取り組みの一つにはリッチコンテンツを増強し、より消費者に視覚的な情報を提供しようという試みもなされています。
NDCのベネフィットを享受するには準備が必要
NDCによってリッチコンテンツが増強した未来は、より視覚的に航空券が表現され、購買がし易くなるでしょう。では、NDCによるベネフィットは全ての消費者が享受できるかというとそうではありません。特に企業の出張においては決められた枠組みの中で出張手配をする事が求められますので、一出張者ではなく、企業としての準備が必要となります。
リッチコンテンツによる視覚的な手配に絞った中で言うと、当然ながらコンテンツはオンライン上で表現されますので、オンラインブッキングツールや出張管理システムなど、オンライン化の対応が必要となります。また、企業の出張の場合、多くは間に旅行代理店が介在していますので、その代理店がNDCに明るく、種々の観点から対応していないとなりません。
オンライン化の対応も、旅行代理店の選定も、次の時代に対応出来るものを選び、スムーズな社内展開が図れた企業はより視覚的に優位な購買体制が築けるでしょう。
今回はリッチコンテンツの増強に絞りましたが、NDCの影響はそれだけではありません。今後も随時更新をしていきます。
トラベルコンサルティング事業部
シニアコンサルタント 兼 セールスマネージャー
西ヶ花 竜希